秋風が肌に心地よい季節となりましたが、
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
先日、大分大学医学部医学科の学生を1人、
地域医療学の実習生として当院に迎えました。
実習生は院長に同行して、
医療現場を目の当たりにして、
学びを深めていました。
今回の実習が今後に活かされて、
地域医療に貢献できると嬉しいです。
ご協力いただいた皆様に感謝です。
実習後にレポートをいただきました
①実習を通して「学んだこと」は何ですか?
今回の実習では、地域医療の重要性を肌で感じることができた。
地域医療では患者さん個人だけではなく家族や地域全体を見て
診療にあたることが重要であるということがどういうことなのか、
先生が診療されている姿を見て理解することができた。
患者さんが住んでいる地域によって
地域性(交通の便、気候や地形など)は大きく異なる。
これを医師がきちんと理解することで、
日常生活の中で行える無理のない適切な運動療法や
食事療法を指示することができるようになる。
加えて、交通の便が不自由な環境に住む高齢の患者さんにとって
通院がどれほど大変なことなのかを、
実際に診察に来る患者さんたちの話を伺うことで、
理解することができた。
そして、医師として通院回数を減らすために
適時適切な検査を行い、それを基に適切な診断を行うことが、
患者さんにとって何よりの負担軽減になるということを
先生と患者さんのやり取りを通じて学び取ることができた。
②今回の実習前後で地域医療に対する考えで変化したことがありますか?
地域医療を担う医師こそ、様々な分野に対して
興味を持ち続けなければならないと考えるようになった。
診察を受けに来る患者さんを見ると、
診療科の垣根を超えて、重症度も様々で、
非常に多種多様な患者さんが通院していた。
このような患者さんに対して適切な診断を下すためには、
患者さんのバックグラウンドを含め、
医学に対して興味を持ち続け、
生涯学習に努めていかなければならないと思う。
また、地域医療では様々な患者さんを相手にするが故、
自らの知識の中から正しい診断をつけられたときの嬉しさは
他の診療科に比べて大きいのではないかと思う。
実際に尾崎先生は検査から診断までほぼ1人で行われていた。
そのような分野を問わず興味を持ち、
学び続ける姿勢を目標にして、
私も努力し続けていかなければならないと強く感じた。
③実習で特に印象に残った出来事を挙げ、それに関する自分の思いを書いてください。
診察を受けに来る患者さんたちが、
診察室を出られる際、笑顔で帰って行く姿が
強く印象に残っている。
診察を通して、体の不具合だけでなく、
日々の生活における不安や不満を先生に話すことで、
皆さんの表情は明るくなり、
スッキリとされている様子であった。
どのような患者さんに対しても
優しい口調で敬意を持って先生が接するからこそ、
患者さんたちも気兼ねなく話せるのだと思う。
また、往診時では、認知症が進んでいる
患者さんが多くいたがどの患者さんも、
自分自身の言葉や動作で一生懸命コミュニケーションを
取ろうとしていることが非常に印象的であった。
尾崎先生からも教えていただいたとおり、
認知症であっても1人の人であり、
年長者として敬意を払って真摯に接しなければならない、
ということがどれほど大切かを身に沁みて感じた瞬間であった。
このような患者さんを日々相手にして、
地域社会のために尽くすことができる地域医療医に強い憧れを抱いた。